小説☆☆☆☆☆☆

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勇者、或いは化け物と呼ばれた少女(下)勇者、或いは化け物と呼ばれた少女(下)
七沢またり
KADOKAWA/エンターブレイン 2014-07-31

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 大団円。グロやエグい描写や外道な登場人物が多い作品だったけど最後にはきれいにまとまって心地良く読み終えられた作品だった。こうしてふりかえってみると主要登場人物四人のキャラをしっかり立て、あとの展開への伏線をはってと、話の流れの構成もしっかりしていてお見事。しいていうなら四人のうちルルリレのキャラだけは魔術師嫌いの学者というだけでちょっと弱いかな。このへんはもうちょっと補強があっても良かったかも。まあそれぐらいは些細なことで全体的には非常に満足。

(以下ネタバレ)

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東京レイヴンズ11change:unchange (富士見ファンタジア文庫)東京レイヴンズ11change:unchange (富士見ファンタジア文庫)
あざの 耕平
KADOKAWA/富士見書房 2014-04-19

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 前巻は第二部開始編だったのに対し今巻は第一部の後から第二部までに何があったのかと仲間のそれぞれの現況編。第一部ラストのあの後どうなったんだ、夏目や春虎以外の他の仲間たちは今どうなっているんだ!? という疑問はだいたい解けましたな。そしてただの現況説明ではなく今巻のクライマックスにあたる場面がじーんとくるものですごく良かった。主人公ズに加え、仲間たちの現況もわかり、敵の大きな動きも感じられて、いよいよ次からが第二部本番といった感じでとても楽しみ。

魔女は月出づるところに眠る 下巻 ―東からの夜明け― (電撃文庫)魔女は月出づるところに眠る 下巻 ―東からの夜明け― (電撃文庫)
佐藤ケイ 文倉十
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-04-10

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 とても良かったのだけど詰め込み過ぎの駆け足気味なのがちょっと残念かな。登場人物の背景をざっと語って、退場させて、すぐ次の登場人物の背景を語って退場させて……といった感じで、余韻にひたる間もなくどんどん進んでしまうのがもったいない。せめて全五巻ぐらいあれば良かったのに……と思わないでもないけど、昨今の出版状況の中で最初から五巻以上出すと決定したシリーズなんて難しいだろうし、しかたないか。それにそういったちょっと残念な点がありつつも全体的には多くの登場人物たちの生き様がひとつにまとまって、大長編映画を観終わったような非常に満足な後味がある作品だった。

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (5) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (5) (電撃文庫)
宇野朴人 さんば挿
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-03-08

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 三分の二は前回からの海戦の続き。ここらへんは期待通りの面白さ。で、残り三分の一で大きく話が動いてすごく盛り上がった。こんな展開ができるようになったのは、メタ的に見ればしばらく打ち切りの心配はなくなったということかね。

(以下ネタバレ)

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ベン・トー 12 デザートバイキングプライスレス (ベン・トーシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)ベン・トー 12 デザートバイキングプライスレス (ベン・トーシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)
アサウラ 柴乃 櫂人
集英社 2014-02-25

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 シリーズ最終巻。マルチエンドというか読者が好きなヒロインとくっついたルートを妄想しやすいように種をばらまいた巻といった感じ。ただ、そんなだから恋愛描写が濃い目で、良くも悪くもいつもとはちょっと趣が違っていた印象。個人的にはこの作品はやはりあまり恋愛面はそれほど掘り下げず、半額弁当と佐藤のバカ話とサービスシーンが主で、恋愛要素はほんのちょっと臭わせる程度の方が良かったかなと。まあ前巻の流れや大半の読者が求めているものを考えればこの路線で間違っていないのだろうけどね。それになんだかんだで十分満足のいく内容だったし。お約束の食事描写は茉莉花の雑炊が一番美味しそうに思えたな。

 六年の長きにわたってお疲れ様でした。このシリーズは一巻目は読んでみたもののいまいちでしばらく離れていたのだけど、アニメ放送をきっかけに再読してみたらドハマリしてここまで追ってきた作品でした。この作品に再び手を出すきっかけになってくれたアニメ版にも改めて感謝を。次回作も楽しみに待っています。

天冥の標VII 新世界ハーブC (ハヤカワ文庫JA)天冥の標VII 新世界ハーブC (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水 富安健一郎
早川書房 2013-12-19

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 大破局よりもその後の復興の方がよっぽど大変だよね編。スカウトの少年少女たちはよくもまあやりきったよな。もし自分ならと考えると早い段階で心が折れるとしか思えん。そしてメニー・メニー・シープよ、私は帰ってきた! ついにここまでつながった。もっともいろいろなことがわかったのと同時に、またいろいろな謎が出てきたわけだが。

(以下ネタバレ)

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天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標 6 宿怨 PART3 (ハヤカワ文庫JA)
小川一水 富安健一郎
早川書房 2013-01-25

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 なんという破滅的結末。しかしまだいろいろ決着がついていないままだな。ここまできてもまだ一巻のあの状況につながらないし。ここからさらにどういうドラマがあってあの一巻へとつながっていくのだろう。それとシリーズ中盤の山場となる今回のエピソードを読んでいて気になったのだけど、最終的にこのシリーズの結末はどういう方向を目指しているのだろう。

(以下ネタバレ)

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天冥の標6 宿怨 PART 2 (ハヤカワ文庫JA)天冥の標6 宿怨 PART 2 (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水 富安 健一郎
早川書房 2012-08-23

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 1巻の最後によると《救世郡》は他の勢力から排斥されたようだけど、6巻のPART1の時点ではむしろ他の勢力と合流しつつあるようだったのにどうしてそうなったんだ? と疑問だったのだけど、今回の展開を見るとなんとなく納得できる気がする話の流れだった。やはり《救世群》のこの先の道はまだまだ暗いままなのか。1巻の内容からしてわかっていたこととはいえきついなあ。

(以下ネタバレ)

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魔法少女育成計画 limited (後) (このライトノベルがすごい! 文庫)魔法少女育成計画 limited (後) (このライトノベルがすごい! 文庫)
遠藤 浅蜊 マルイノ
宝島社 2013-12-09

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追う者と追われる者。狩る者と狩られる者。結界で限定された空間を舞台に、魔法少女達の命を賭けた“追いかけっこ”が繰り広げられる。次々と倒れていく魔法少女達。刻々と近づくタイムリミット。状況は常に変化し続け、三つの陣営の思惑は入り乱れる。敵味方の立場さえも激しく入れ替わる血みどろの戦いの果てに、最後まで生き残るのは、そして目的を遂げるのは誰なのか? 話題のマジカルサスペンスバトル、第三幕の完結編!
 なんとブラックな……。やはりこの作品はさすがだわ。しかしああいうエピローグだったことと、作者があとがきで「次回、また新たな魔法少女育成計画でお会いしましょう」と明言しているということは、すでに次の予定が決まっていると考えていいのだろうか。だとしたらすげえ楽しみ。

(以下ネタバレ)

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ベン・トー 11 サバの味噌煮弁当【極み】290円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9-16)ベン・トー 11 サバの味噌煮弁当【極み】290円 (ベン・トーシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫 あ 9-16)
アサウラ 柴乃 櫂人
集英社 2013-11-22

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 いちおう今回が最終巻というわけではなくもう一冊あるそうだけど、実質的には物語の最終章にあたるそうで、まさにそれにふさわしいクライマックスぶりで多少の不満点もあるものの全体的には実に熱くて良かった。この物語と出会えて良かったと満足。物語的には今回できれいにまとまっているけど、もう一冊でどういうことが語られるのか期待。

(以下ネタバレ)

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よいこの君主論 (ちくま文庫)よいこの君主論 (ちくま文庫)
架神 恭介 辰巳 一世
筑摩書房 2009-05-11

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マキャベリの名著『君主論』を武器にクラス制覇へと乗り出した小学五年生のひろしくん。だが、彼の前に権力への野望を持つ恐るべき子供たちが立ち塞がる! 『君主論』はひろしくんを覇王へと導くことができるのか? 小学生の権力闘争を舞台に楽しく学べる『君主論』。クラスを牛耳りたい良い子のみんなも、お子様に帝王学を学ばせたい保護者の方も、国家元首を目指す不敵なあなたも必読の一冊!
 すごく面白かった。なんといっても『君主論』を下敷きに小学生同士の権力争いを描くというアイデアが素晴らしい。やっていることは駄菓子屋で買い食いしたり、遠足に行ったり、夏休みの宿題をしたりと小学生らしいのに、それで大真面目に覇権争いをしているというのが実に笑える。登場人物もどいつもこいつも小学生とは思えないほど濃いキャラで、冒頭にある登場人物紹介を見るだけでこの作品がどれだけぶっとんでいるかわかるかと。しかしその場その場で『君主論』の一部を引用しているといった感じで、体系的に把握できなかったのは残念。あと終盤の展開からすると一番の勝ち組はかおるくんではないかという気が。『君主論』でもイケメン正義の法則は覆せないということか。

この世界がゲームだと俺だけが知っている 1この世界がゲームだと俺だけが知っている 1
ウスバー イチゼン
エンターブレイン 2013-04-27

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迫りくるバグ! 襲いくる理不尽! そして、それを覆す圧倒的台無し策!!

“ぼっち”ゲーマーの相良操麻は
ある日、悪名高いバグ多発ゲームの世界に入り込んでしまう。
「理不尽」と「運営の悪意」を具現化したような通称〈猫耳猫〉の世界で
バグ仕様を逆手にとったソーマの冒険がはじまる!

 WEB版未読。WEBでも人気作品としてランキング上位に入っているのはよく見かけたけど、タイトルからしてどうせゲームの世界に入ってチート的無双してますというありきたりなものなんだろうなと思ってスルーしてたのだけど、いざ実際に読んでみるとまさかこんなに楽しめるとはというぐらいすごく面白かった。

 まず入り込むことになったゲームの「猫耳猫(通称。正式名称はちゃんとべつにある)」のバグだらけの仕様とそれにまつわるエピソードがいかにも実際のゲームにもありそうなものだったり、ひねくれていたりして面白い。そりゃ〈リザードマンの罠〉は初見殺しだわ。そしてそういう仕様に対しての主人公の対応がよく考えられているなーと感心する。〈不知火〉が強力な理由とかすごく納得だわ。

 コメディタッチの作品なので気軽に楽しめ、だけどバグだらけの極悪仕様なので油断すればすぐに死んでしまいかねないし、タイムリミットもあるのであまりのんびりもしていられないという適度な緊張感があるのも好印象。「バグゲーだからこそそれをひっくり返すのが面白い」という主人公の主張もなかなか熱くて共感できるのが良かった。すでに2巻も出ていて近いうちに3巻も出るようなので続きも楽しみ。