小説☆☆

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インサート・コイン(ズ) (光文社文庫)インサート・コイン(ズ) (光文社文庫)
詠坂 雄二
光文社 2016-10-12

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ゲーム誌ライターの柵馬は、新たな記事を書くために、日夜奔走する。動くキノコを求めて奥多摩へ。共にゲームに明け暮れた初恋の人が抱えていた秘密。尊敬する先輩ライターが残したメッセージの意味は? 憧憬は現実に直面し、諦観に押し潰されそうな日々に、俺たちはどんな希望を抱けるのか? 往年の名作ゲームを題材に描く、シニカルでほろ苦い五編の青春ミステリー。
 昔の名作ゲームを題材にした日常の謎系ミステリなんだけどいまいち。ゲームに関するうんちくや考察は面白かったのだけど、ミステリとしては洞察力とロジックによる推理というより単なる知識量によるクイズ的な正解当てか明確な答えのない当て推量でしかないパターンが多くてもの足りないし、謎と題材のゲームの重ね合わせもそれほど上手くいっていない印象。またミステリ以外の主人公のライター業を中心にしたドラマ部分もあまりぴんとこなかった。

夜明けの街で (角川文庫)夜明けの街で (角川文庫)
東野 圭吾
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-07-24

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不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる――。建設会社に勤める渡部は、派遣社員の仲西秋葉と不倫の恋に墜ちた。2人の仲は急速に深まり、渡部は彼女が抱える複雑な事情を知ることになる。15年前、父親の愛人が殺される事件が起こり、秋葉はその容疑者とされているのだ。彼女は真犯人なのか? 渡部の心は揺れ動く。まもなく事件は時効を迎えようとしていた……。
 いまいち。不倫恋愛ものとしては主人公の男の方は不倫にハマるバカな男のテンプレ像でしかなくて魅力が感じられないし、不倫相手の女の方も過去の事情を抜きにしても露骨に面倒そうな女でやはりこちらも魅力が感じられず、何故こんな女に惹かれるのかわからなかった。ミステリとしてもたいした謎ではなく、主要登場人物が少ないこともあって事件の真相もある程度までは容易に想像がついてしまった。

(以下ネタバレ)

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スターティング・オーヴァー (メディアワークス文庫)スターティング・オーヴァー (メディアワークス文庫)
三秋縋
アスキー・メディアワークス 2013-09-25

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 二周目の人生は、十歳のクリスマスから始まった。全てをやり直す機会を与えられた僕だったけど、いくら考えても、やり直したいことなんて、何一つなかった。僕の望みは、「一周目の人生を、そっくりそのまま再現すること」だったんだ。しかし、どんなに正確を期したつもりでも、物事は徐々にずれていく。幸せ過ぎた一周目のツケを払わされるかのように、僕は急速に落ちぶれていく。――そして十八歳の春、僕は「代役」と出会う。変わり果てた二周目の僕の代わりに、一周目の僕を忠実に再現している「代役」と。
 ウェブで話題の新人作家、ついにデビュー。
 いまいち。主人公の一人称による語り口調が好みに合わなかった。気取った口調で語られているように感じて読んでいていらいらした。またストーリーの方も終盤のあれがこの作品の言いたいことなのかもしれないけど納得いかず、最後まで自分には向いていない作品だった。残念。

すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)
川上 未映子
講談社 2014-10-15

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「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。
 読み始めたときは静かで落ち着いた雰囲気が好印象だったのだけど、あまりにローテンションな主人公の内面描写にどんどん読む気が失せていっていまいちだった。作品の良し悪しがどうのこうのというよりも、少なくとも今の自分の好みには合わない作品という感じ。たぶんもっと心の在り様が違う時に読めば、すごく胸に響いていいなあと感じることもあるのだろうな。

マツリカ・マハリタ (角川文庫)マツリカ・マハリタ (角川文庫)
相沢 沙呼
KADOKAWA/角川書店 2016-08-25

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 前作を読んだのがだいぶ前のことなのでおぼえていなかったのだけど、この主人公ってこんなネガティブなタイプだったっけ。うじうじしてて鬱陶しいものの、でもこんなふうに上手くやれなくて必要以上に思い詰めることだってあるよね……と納得しながら読み進めていたけど、やたらといじけた内面のわりには美少女たちと出会って、フラグを立てて、でも本命以外のサブヒロインは滑り台送りにして、そのことに本人は全然気づいていないという鈍感モテモテヤローっぷりに、やっぱこの主人公には共感できねえわ、爆発すればいいのにと思い直した。

かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。 (富士見L文庫)かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。 (富士見L文庫)
友麻碧 Laruha
KADOKAWA/富士見書房 2015-04-12

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 あやかしの棲まう“隠世”にある老舗宿「天神屋」。
 亡き祖父譲りの「あやかしを見る力」を持つ女子大生・葵は、得意の料理で野良あやかしを餌付けていた最中、突然「天神屋」の大旦那である鬼神に攫われてしまう。
 大旦那曰く、祖父が残した借金のかたとして、葵は大旦那に嫁入りしなくてはならないのだという。嫌がる葵は起死回生の策として、「天神屋」で働いて借金を返済すると宣言してしまうのだが……。
 その手にあるのは、料理の腕と負けん気だけ。あやかしお宿を舞台にした、葵の細腕繁盛記!
 なんというか、お料理版『夏目友人帳』みたいな印象の作品だった。しかしいまいち。第一に料理で活躍し始めるのが遅い。キャラ紹介や世界観の説明が終わって立ち位置が定まった次以降の方が料理ものとしては素直に楽しみやすそう。第二に恋愛面の設定が好みに合わない。何をどう言おうと結局のところこれって拉致して借金を理由に強引に迫っているだけだよなあと思えて受けつけなかった。

一華後宮料理帖 (角川ビーンズ文庫)一華後宮料理帖 (角川ビーンズ文庫)
三川 みり 凪 かすみ
KADOKAWA/角川書店 2016-06-30

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『おいしい』――その一言が私の居場所になる。故国で神に捧げる食事を作っていた理美は、大帝国崑国へ貢ぎ物として後宮入りすることに。その際、大切な故郷の味を奪われそうになった所を食学博士の朱西に助けられる。彼の優しさに触れた理美は再会を胸に秘め、嫉妬渦巻く後宮内を持ち前の明るさと料理の腕前で切り抜けていく。しかし突然、皇帝不敬罪で捕らえられてしまって? 「食」を愛する皇女の中華後宮ファンタジー!!
 いまいち。中華お料理ものということで読んでみたけど、思ったよりも料理する場面が出てこなくて残念。むしろ美形キャラに囲まれた乙女ゲー的逆ハー展開がメインだった印象で期待はずれだった。また作中の身分制度の描写があやふやだったり、口調が軽すぎるように感じられたのもマイナス。そりゃ異世界なんだから現実とは身分制度の扱いが違っていてもおかしくないし、そもそも娯楽作品なんだから読み口を軽くするのもわかるけど、もうちょっと堅い方が個人的には好みだわ。

図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)
高田 大介
講談社 2016-04-15

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 なんとか一巻読み終えたが文字がびっしりで、ややこしい内容だったりひたすら地味だったりで、読むのがたいへんだった。今後面白くなりそうな要素も見当たらないではないけど、正直現時点ではそこまで引き込まれるものを感じないな。

アルバート家の令嬢は没落をご所望です (角川ビーンズ文庫)アルバート家の令嬢は没落をご所望です (角川ビーンズ文庫)
さき 双葉 はづき
KADOKAWA/角川書店 2015-03-31

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才色兼備な大貴族の令嬢メアリ・アルバート。彼女は始業式で前世の記憶を思い出す。この世界は前世でプレイしていた乙女ゲームと同じで、自分は主人公をいじめて最後に没落する悪役令嬢だったことを――となれば、ここは「そんな人生、冗談じゃない!」と没落を回避……しない! 従者のアディ(口が悪い)を巻き込んで没落コースを突き進もうとするけれど、なぜか主人公になつかれて!? 人気沸騰WEB小説、ビーンズ文庫に登場!!
 いまいち。前世の記憶を思い出したといいつつ前世ではどんな人間だったかとか前世と今生の環境の違いについてはまったくといっていいほど触れられないし、前世でプレイしたゲームと同じルートをたどらせる強制力的な力の存在を匂わせるわりには、前世の記憶を思い出す前から悪役令嬢たる主人公の人柄が違っているなど強制力とやらがどの程度のものなのかよくわからないなど、『前世』『乙女ゲー』という用語を頻繁に使うわりにはどうにも中途半端な扱いですっきりしなかった。

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…1 (一迅社文庫アイリス)乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…1 (一迅社文庫アイリス)
山口 悟 ひだか なみ
一迅社 2015-08-20

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頭をぶつけて前世の記憶を取り戻したら、公爵令嬢に生まれ変わっていた私。え、待って! ここって前世でプレイした乙女ゲームの世界じゃない? しかも、私、ヒロインの邪魔をする悪役令嬢カタリナなんですけど!? 結末は国外追放か死亡の二択のみ!? 破滅エンドを回避しようと、まずは王子様との円満婚約解消をめざすことにしたけれど……。
悪役令嬢、美形だらけの逆ハーレムルートに突入する!?
恋愛フラグ立てまくりの破滅回避ラブコメディ★
 いまいち。本人の意図とは違ったふうに誤解されて周りからどんどん好かれていくというパターンだけど期待したほど楽しめなかった。どの登場人物もすぐに主人公万歳になるチョーロー(チョロいヒーロー)、チョロインばかりなのでキャラの掘り下げが浅く個性が薄い。ストーリー展開もどこかで見たようなパターン以上のものでなく、いかにも流行りのジャンルの二番煎じ、三番煎じの後追い作品的な印象だった。

ドラグーン ~竜騎士への道~ 1 (MFブックス)ドラグーン ~竜騎士への道~ 1 (MFブックス)
わい 屡那
KADOKAWA/メディアファクトリー 2013-09-19

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――この世界では、ドラゴンを駆る騎士を“ドラグーン”と呼んでいた。
少年ルーデルが空を駆ける竜を目撃したその日、わがままで傲慢な“貴族の息子”だった彼の運命は大きく変貌を遂げる。
「何が何でもドラグーンになりたい!」
絶対不可侵の闘志を燃やすルーデルは、周りの揶揄などなんのそのでクルトア学園に入学、様々な困難に立ち向かっていく。そんなルーデルにより運命を変えられた者がいた。転生してこの世界にやって来た、少年アレイストその人である。彼はチート能力を持ち、学園で主人公のような活躍をする運命……のはずだった。主人公“だった”少年と脇役“だった”少年。この二人が紡ぎだす物語は、思いも付かない方向へと加速していく!
夢をあきらめない少年たちによる、学園バトルファンタジー開幕!
 なろうの王道パターンとは逆に主人公が現地産でライバルがチート持ちの転生者というキャラ配置が特徴の作品……と言いたいところだけど、結局のところ主人公が周囲から万歳されてライバルがクズという図式におちいってしまっているので、逆のキャラ配置にしたことの意味が薄いのが残念。それに単純に文章力がいまいち。場面がイメージできないようなわかりづらいものではないけど、正直読んでいてあまり心地良くない文章だった。

我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)我が驍勇にふるえよ天地 ~アレクシス帝国興隆記~ (GA文庫)
あわむら 赤光 卵の黄身
SBクリエイティブ 2016-07-14

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 天下無双――アレクシス大帝、レオナート一世の驍勇は真実そう評される。しかし、後に大陸統一を果たす彼も、若き日には"吸血皇子"の汚名を着せられ、故郷を奪われた、武骨で不器用な青年でしかなかった。
 これは、大反撃の物語である。再起を誓ったレオナートはまさに一騎当千! そして一本気な彼に惹かれて集うは、神とも魔物とも例えられる数多の名将、賢者、才媛、奇才。
 やがて彼らは腐敗した祖国を呑みこむ一大勢力となり、群雄する大国全てと渡り合っていく! 痛快にして本格――多士済々の英雄女傑、武勇と軍略が熱く胸を焦がすファンタジー戦記、堂々開幕!!
 いまいち。『聖剣使いの禁呪詠唱』『無限のリンケージ』の作者の新作戦記ものということでどんなものかと読んでみたけど期待はずれだった。シリアスな戦記ものというには一部(主に軍師役のシェーラの台詞)やたらと軽い調子の台詞があるのが残念。またその軍師役の策もたいしたものには思えなかった。敵も小物ばかりでもの足りない。一巻目なのだからわかりやすく嫌な敵を主人公がぶっとばすという図式のための配役なんだろうけど、せこい小物ばかりが相手だとそれと敵対する主人公の格も落ちてしまう気が。そういったマイナス点を差し引いても、よくあるパターンの戦記ものという印象以上のものではなくて、この作品ならではの魅力が見つからなかった。