儚い羊たちの祝宴

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儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
米澤 穂信
新潮社 2008-11

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これぞ、究極のどんでん返し! あらゆる予想は、最後の最後で覆される。

ミステリの醍醐味と言えば、終盤のどんでん返し。中でも、「最後の一撃(フィニッシング・ストローク)」と呼ばれる、ラストで鮮やかに真相を引っ繰り返す技は、短編の華であり至難の業でもある。本書は、その更に上をいく、「ラスト一行の衝撃」に徹底的に拘った連作集。古今東西、短編集は数あれど、収録作すべてがラスト一行で落ちるミステリは本書だけ!

「バベルの会とは、幻想と現実とを混乱してしまう儚い者たちの聖域なのです。現実のあまりの単純さに、あるいは複雑さに耐えきれない者が、バベルの会には集まってきます。わたしたちは、いわば同じ宿痾を抱えた者なのです」

「身内に不幸がありまして」「北の館の罪人」「山荘秘聞」「玉野五十鈴の誉れ」「儚い羊たちの晩餐」収録。共通するキーワードも出てくるものの、基本的にはそれぞれ単独で成立している短編集。でも「山荘秘聞」ではバベルの会は出てこなかった気が……?

 帯で煽られているほど終盤のどんでん返しが衝撃的だったとは思えず、最初は少々拍子抜けかと感じたが、とても綺麗な文章で語られる旧家の話ゆえのあやしい雰囲気がとても良かった。終盤の衝撃という点でならこの作者の作品の中では『ボトルネック』の方がもっと凄かったと思うが、この作品は全編にわたって染みついて離れないかのような黒さが素敵。これはノンシリーズなのか。ぜひ同じ方向性で続けてほしいと思ったのだけど。

コメント
この記事へのコメント
山荘秘聞でもバベルの会はちらっと出てきます。また山荘秘聞だけは最後の1行のどんでん返しがあるのですが、気がつかない方が多いようで。
2010/11/17(水) 22:41 | URL | 通行人 #mQop/nM.[ 編集]
バベルの会出てきていましたか。どんでん返しにも気づきませんでした。今度読み直してみます。情報ありがとうございます。
2011/01/21(金) 23:12 | URL | 管理人 #-[ 編集]
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