クローバー・レイン

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([お]13-1)クローバー・レイン (ポプラ文庫)([お]13-1)クローバー・レイン (ポプラ文庫)
大崎 梢
ポプラ社 2014-08-05

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大手出版社に勤める彰彦は、落ち目の作家の素晴らしい原稿を手にして、本にしたいと願う。けれど会社では企画にGOサインが出ない。いくつものハードルを越え、彰彦は本を届けるために奔走する――。本にかかわる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる物語。
 最終的にはきれいにまとまったと思う。でも総合的な印象としては微妙だった。

 第一に文章。特におかしな言い回しやくせのある文章というわけではないのだけど、何故か主体がだれなのかわかりづらくてスッと頭に入ってこない箇所がたびたびあった。

 第二に編集者のお仕事小説として見た場合、「編集者の仕事内容といえばこんなものだろうな」と予想できる範疇のものでしかなくて興味をひかれなかった。

 第三に落ち目の作家の原稿を本にするという本題について。この原稿を自分の手で本にしたいのは、作家のためでも世の多くの人々にすばらしい作品を読んでもらいたいからでもなく、主人公一人のわがままでしかなくて素直に応援できなかった。主人公のわがままによって作家本人に不利益をもたらすリスクも原稿が埋もれてだれの目にも触れなくなってしまうリスクも背負ってしまうのだからなおさら。

 第四に作家の抱える家庭の事情と主人公が抱える事情のドラマが共感しづらくて正直途中まではこんなじめじめしたエピソードいらなかったのにと思っていた。最終的にそのへんはきれいにまとまって決して本編から脱線しているのではなく必要なものだったのだと納得できたが。

 こうして最後まで読んでみるとこの作品は「編集者のお仕事もの」や「本を出す話」ではなく、タイトル通り「雨」が主題の作品だったのだろうなと思う。そういう意味では読む前に期待していたのとは方向性がずいぶん違っていたので、読んでいて微妙にすっきりしなかったのも当然か。変な先入観がなければもっとスッと気持ちよく楽しめたのかも。

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