サラの柔らかな香車

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サラの柔らかな香車 (集英社文庫)サラの柔らかな香車 (集英社文庫)
橋本 長道
集英社 2014-09-19

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プロ棋士になる夢に破れた瀬尾は、毎日公園に一人でいる金髪碧眼の少女サラに出会う。言葉のやりとりが不自由な彼女に対し、瀬尾は将棋を教え込む。すると、彼女は盤上に映る“景色”を見る能力を開花させ――。棋界に新たな風を送るサラ、将棋に人生を捧げてきたスター・塔子、数多の輝く才能を持つ七海の三人を巡り、厳しくも豊かな勝負の世界を描く青春長編。第24回小説すばる新人賞受賞作。
 面白かった。ただ、物語に対する満足度とは別のところで、「天才とそうでない者」の描き方としては違和感が。なんというかサラはこの作品において「圧倒的強者としてまわりを揺さぶる装置」であって、「天才的な将棋の才能を持つ登場人物」ではない印象というか。このへんやはりサラを言葉のやりとりが不自由な少女として描くのでなく、普通の少女で、だけど将棋の世界では圧倒的な才能を示す人物として描いた方が良かった気が。

(以下ネタバレ)











(ネタバレ開始)

 最後はえらく前向きな終わり方になってびっくり。てっきりサラの天才性にまわりの人物が打ちのめされ、引き裂かれる物語かと思っていたのに。とはいえ、圧倒的才能にぶつかって挫折して落ちぶれるなんていうのはただの「現実」であって、それよりはこういう前向きな結末の方が夢と希望を持てて物語らしくていいか。

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