装甲悪鬼村正

ここでは、「装甲悪鬼村正」 に関する記事を紹介しています。

装甲悪鬼村正 通常版
 CG最後の一枚まで見て、スタッフコメントも読み、完全攻略完了。長かったけどその長さが気にならない、むしろもっとこの作品にひたっていたいと思わせてくれる大満足の内容だった。この作品が発売されてからけっこう時間が経っているわけだけど、こうしてプレイしてみるきっかけとなった様々なめぐりあわせに感謝。


【システム】

 ニトロ作品のシステムとはどうも相性が悪くて、『続・殺戮のジャンゴ』では重くなってまともにプレイできないわ、『スマガ』は起動しないわ、PC移植版の『STEINS;GATE』では重要な場面で勝手に落ちるというバグをくらうわといったぐらいだったので、今回も何かトラブルにあうのではないかと心配していたのだけど、全く普通に起動できてプレイできたのでひと安心。特徴としてはテキストが縦に表示されるのがめずらしいですな。和風なこの作品の世界観に合わせたのだろうけど。下手したら画面の中央に表示されて邪魔にしかならないところ、ほとんど気にならずにプレイに集中できたので、メッセージウィンドウの配置やテキストの行数の調整などはなかなかお見事かと。逆に不満点しては、ひとつはスキップ機能。すごくボリュームのある作品なので周回するときは当然スキップ機能が重要になるわけだけど、そのスキップがすごく遅い。通常のスキップと高速スキップの二種類が用意されているけど、通常のスキップはもちろんのこと、高速スキップでもやはりかなり時間がかかる。このへんはどうにかしてほしかったところ。またやたらと選択肢が出てくる場面もあるので、できればオートセーブを10枠ほど用意してほしかった。


【絵】

 通常の立ち絵とキャラクターの表情の変化パターンを組み合わせたフェイスウィンドウ方式。このおかげでキャラクターのギャグからシリアスまで豊かな表情の変化が楽しめた。通常のイベントCGに加え、劔冑同士のバトルCG、背景なども豊富に用意されていて力が入っているなというのがよくわかる。


【音楽】

 お気に入りの曲は「村正[矛]」「BRADE ARTS Ⅲ」「BRADE ARTS Ⅳ」「剣理殺人刀」「凌辱」「誼」「落葉」「疼[UZUKI]」「The Call」。基本的には和風な曲が多い中で、銀星号のときだけは違った雰囲気の曲というのも上手いですな。


【エロ】

 大ボリュームの作品にふさわしく何回か用意されているもののどれも薄いですな。サブキャラのHはいうまでもなく攻略ヒロインにしても基本的に一回あるだけ(例外が一名だけいるけど)。それも短いし。まあこの作品にエロ方面は期待していないのだからかまわないけど。


【シナリオ】

 古臭いいかにも時代劇風の言葉遣いややりとりと、ロボットSF的な劒冑の設定と、いかにも昨今のギャルゲー的な笑えるやりとりの混ざり具合がたまらなく良かった。堅苦しいドシリアスな作品かと思ったら、しっかり笑えるギャグも用意されていて長い作品だけど飽きずに楽しめた。またありふれた表現で申し訳ないけが、どの登場人物も個性的で非常に魅力的。全ての人物について語り尽くしたくなるぐらいだけど、そんなことすると長くなり過ぎるので自重する。


【その他】

 ルートによっては選択肢が多数出てくるのが面倒だった。長いシナリオの途中でならともかく、ルートの終盤の盛り上がりどころで出てくるのは邪魔でしかなかった。せっかく盛り上がっているのに選択肢を間違えてBADエンド、やり直してまた選択肢を間違えてBADエンドなんてことになるのもバカバカしいので、このへんはもうさっさと攻略サイトに頼った。単なる読みもので終わらせず、本来のADVらしくプレイヤー自身の選択が結末を決めるという形にしたかったのかもしれないけど、正直なところ余計な要素だったのではないかと。

(以下ネタバレ)









(ネタバレ開始)

【復讐編】

 大鳥香奈枝ルート。なんといっても一番印象に残っているのは最後の戦いの開眼した香奈枝とその不気味な笑い。ヒロインなのにこんなにおっかなく描いていいのかとびっくり。普段はニコニコ、ばあやとのやりとりも面白い愉快なお姉さんっぽいのに、復讐大好き、殺人大好きな人面獣心娘という設定にホレた。積み重ねた罪業ゆえに罰を求める景明との相性も抜群かと。歪んだ絆だけど。香奈枝自身なんだかんだで景明に惹かれているのに最後もとうとう復讐の手をゆるめなかったし。そのへんのガチ狂いっぷりが素敵。その相性の良さのせいか、個人的には全ルート中でいちばんきれいにまとまったルートだった印象。また香奈枝の陰義もはったりがきいていて良かったかと。


【英雄編】

 綾弥一条ルート。パッケージなどを見るとどうも一条はライバルっぽい位置づけのようで、劒冑を手に入れた一条がどんな活躍をするのかと楽しみにしていたら、まさかこんなことになるとは。正宗は村正との対象でかっこいい正統派の正義の劒冑なのかと思っていたら、仕手を傷つけまくるグロカラクリ満載で笑った。自爆技の砲とか、手を焼く焼けた刀とか、指をとばして武器にしたりとか、肋骨や腸を伸ばしたりとか。こんな劒冑、普通はだれも使いたがらねえだろ。見た目がすごいから宝物のように扱われてしまわれていたそうだけど、仮に仕手となるものが現れていたとしても実際に使ったらすぐに捨てられていたのではないかと。そういう意味では確かに一条は最高の主だよなぁ。本人も正義大好き娘だし、正義のためなら痛みなんて気にしませんて性格だし。

 このルートでは景明が善悪相殺の理を理解する場面がすごく良かった。ついにメインテーマにいたり、村正の本当の仕手となったといった感じで。まだ他にもルートを残しているはずなのにこれ以上盛り上げられるのかと心配したほど。杞憂だったけど。しかし善悪相殺の理を知った後は急に悟ったようになって、一条を殺すのもそれほどためらいが感じられなかったのがちょっと残念。一条の信念を理解しながらもその正義が人の死や世の混乱を招いてしまうから殺すというのは結局のところ村正の善悪相殺の理に反する独善でしかないのに。そのせいかエピローグはずいぶん後味の悪いものだったな。一条の信念も景明の信念もどちらも中途半端な形になってしまうとは。ある意味、これが一番ふさわしい終わり方なんだろうけど、英雄編というタイトルにふさわしく、一条が正宗という劒冑を手に入れ、人々の信望を集めて軍の中心となり、世を変えていく英雄になっていく姿も見てみたかった気がする。もっとも仮にそんな流れになったとしても、この正義大好き娘は結局のところ世の中と折り合いがつかず、最終的には某有名作品の赤い人のように摩耗して潰れてしまいそうな気がするが。

 このルートでは香奈枝ルートではスルーされた銀星号との戦いもあったのがまた盛り上がったのだけど、最後の技が景明さん裸アタックだったというのはちょっとどうかという気が。下手すりゃギャグになってしまったのでは。まあ個人的には勢いに流されてアリだと思えたが。


【魔王編】

 最終ルート。この前にやった一条ルートがすごく盛り上がったので大丈夫かと心配したけど、しょっぱなから村正の過去、二世村正との対決、そして善悪相殺の理を悟り、正式に結縁する誓いとあって、心配は無用だとすぐにわかった。景明が洗脳され六波羅側についたりと今までない展開もすごく楽しめた……が。茶々丸エンドがすごく短かったのがとても残念。そりゃ茶々丸ルートはあのまま進んだらその後の展開のネタバレになってしまうけど、それにしても最後の雷蝶戦はちゃんと描いても良かったのではないかと。この長い作品の中でも虎徹が劒冑として装甲される唯一の戦闘なのに(他は茶々丸本人が変身するだけだし)。

 金神との最終決戦は空間やら時間やらをぶっとばしてすごい力の持ち主ってのはわかるのだけど、しょせん銀星号の前の前座って印象でしかなかったな。途中で長坂右京の姿に変わるのもなかばギャグのように見てしまうし、こんな最終局面に前半の小者くさい敵が現れてもなぁという印象でちょっとどうかという気が。

 最後の銀星号との戦いにもちょこちょこ不満が。まずパズル。選択肢がやたらと出てくるのと同じく、これもゲーム的な楽しみを盛り込もうとしたのだろうけど、正直こんなのやってられるかという気が。当然さっさと攻略サイトに頼った。最初からクイズゲーム、パズルゲーム的な作風ならまだしも、この作品にあんなのが出てくるのはすごく浮いていた気が。次に銀星号との戦い。この作品は劔冑だの陰義だのといった要素があるにしても、剣術バトルものとしてその術理のうんちくが楽しかったのに、最後の銀星号との戦いではスケールが大きくなり過ぎてもはや剣術うんぬんどころではなくなってしまったのが残念。そういう意味では他2ルートの方が人間対人間といった感じでバトルとしては盛り上がった気がする。また対銀星号戦は景明と光の対決であると同時に三世村正と二世村正の母娘対決であったはずなのに、三世村正と二世村正の結末に関しては描写不足に感じられたのも不満といえば不満かな。とはいえ、最後のまとめは非常にお見事。これまで罪悪感を積み重ねてきてだれよりも自分を嫌っている景明、どれほど多くの犠牲を出した宿敵であろうとも憎み切れず愛しく大切な存在だと感じる光だからこそ、善悪相殺の理によって村正の剣は光へと向けられるという、ここまでのシナリオとテーマが集約された見事な結末だったかと。父の愛を確かめたいという光の願いもかなえているし。

 この最後にあかされる光が景明の妹ではなく娘であるというのはネタバレを見てしまって知っていた。あまり気にならず、意味深な描写はこの真実のことを指しているのだろうなとわかりながら進めたのだけど、もし知らなかったらどう感じていたのかちょっと気になるな。それまでの描写でだいたい察しがついたのか、それとも最後まで気づかずここであっと驚いたのか。あるだろうと思っていた統とのHシーンがなかったのは残念なようなホッとしたような。見てみたかった気はするけど、景明は薬で狂わされていたようだし、家の都合で無理やりさせられたということで何とも後味が悪いHだっただろうし、やはり無くて良かったのか。


【悪鬼編】

 まさか魔王編のエピローグからこんな形で続くとは思わなかった。最後のCGからするとこの作品は「装甲悪鬼村正」を始めるまでの物語だったということかね。四章では大活躍したのにその後はあまり出番がなかった雪車町がようやくここできてくれて嬉しかった。魔王編で人間の姿になれることがわかった時点であるだろうと予想できた村正のHがついにここで。他のヒロインが復讐大好きだったり、正義大好きだったり、世界滅亡を望んでいたりといった異常者ばかりでたいがい最後には戦うことになるぐらいといったなか、献身的でドジっ娘属性も持っている村正はこの作品の中では一番ヒロインっぽいヒロインだよな。劒冑で大蜘蛛なヒロインが一番まともって。村正を奪われ、そんな理不尽と感じる目にあうのも良かった。それこそまさに景明が積み重ねてきた罪悪なわけで。最後の景明の至った境地とヒカリにうけつがれた「わをもってとーとしとなす」の言葉の違いがなんとも皮肉で悲しいな。最後に武帝となった景明と村正の姿も見てみたかった。


 以上。まだまだ語り尽くせぬところもあるけどこんなところで。このあとはFDやら漫画版やら小説版にも手を出してみるつもり。

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