トッカン―特別国税徴収官―

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トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)トッカン―特別国税徴収官― (ハヤカワ文庫JA)
高殿 円
早川書房 2012-05-24

by G-Tools

税金滞納者を取り立てる皆の嫌われ者、徴収官。なかでも特に悪質な事案を扱うのが特別国税徴収官(略してトッカン)である。東京国税局京橋地区税務署に所属する新米徴収官ぐー子は、鬼上司・鏡特官の下、今日も滞納者の取り立てに奔走中。カフェの二重帳簿疑惑や銀座クラブの罠に立ち向かいつつ、人間の生活と欲望に直結した税金について学んでいく。仕事人たちに明日への希望の火を灯す税務署エンタメシリーズ第1弾!
 税金の徴収というめずらしいお仕事ものということで読んでみたけど、ツッコミどころがあり過ぎでいまいちだった。そもそもお仕事ものというには本来の仕事からは逸脱したような動きが多い気が。カフェの二重帳簿疑惑事件では本来なら調査部門が行うべき仕事であって、徴収官で、しかも新米のぐー子が何とかするには無茶振りが過ぎるのではという感じだし、銀座クラブの事件では相手が大物過ぎてぐー子の手には余る印象だし。最後の貧しい工場の取り立てエピソードでようやく身の丈にあった感じになったが、どういう解決策を提示するのかと思っていたら、最初からそうしておけよと思わずにはいられないようなもので、読んでいてすごくげんなりしてしまった。

 それに登場人物たちにもあまり魅力が感じられなかった。この手の作品で主人公が最初はおバカで未熟なところから始まるのはお約束だというのはわかるが、最後の最後になってようやく反省して意識が変わるというのはどうなんだという気が。さすがに一冊丸々バカで未熟な主人公につきあわされるのはつらい。もっと小さなエピソードの積み重ねの中で主人公の失敗と成長を描いて少しずつ一人前になっていくという形にしたほうが良かったのではないかと。

 上司の鏡も好きになれなかった。こういう要所要所でいいところや有能なところを見せて心底から悪いやつではないんですよという描かれ方の登場人物はよく見かけるけど、普段から傲慢だったり嫌味なことを言うのだって十分ひとの心を傷つけてしまうわけで。それに貧しい工場の取り立てのエピソードでも、もうちょっと口でぐー子に意図を説明してやれよという気が。自分で気づかせることや自分で学ばせることもそりゃ重要だろうけど、このケースの場合ほうっておいたらしゃれにならないことになっていた可能性もあったわけで。

 同期で天敵の南部千紗もなんだか話の流れで実はいいやつみたいに描かれているけど、最初の喧嘩のエピソードの印象が悪くてなぁ。しかもその一回だけなら酒の席のことだし、勢いでつい失言してしまったのだという解釈もできなくはないが、時間を置いて再会したときも同じことを繰り返そうとしていたあたりどうしようもないというか、お近づきになりたくないタイプだなとしか思えなかった。

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