
次期皇妃の少女を守って単機で敵中を翔破する話。最下階級の出身であり、一介の傭兵にすぎない飛空士の青年と次期皇妃の少女の身分違いの恋と、迫力ある空中戦が見所。
評判がいいようなので手を出してみたのだけど、確かにすごくいい出来だった。文章はきれいで読みやすいし、肝心の空中戦も迫力のある素晴らしい描写だったし、最後の結末はとてもいい場面で終わっていたし。
イラストも少々力不足に思えるものもあったけど、表紙のものは実に良かった。読み終わった後、もう一度見てみることをおすすめ。
この作者のもう一つのシリーズの『レヴィアタンの恋人』も評判悪くないようだから、今度読んでみるか。もっともずいぶん作風が違うらしいけど、まあそのへんは覚悟して(笑)
(以下ネタバレ含む感想は続きを読むのあとに収録。少々未練がましいというか、後ろ向きな内容なので、そういうのがうっとうしい人は読まなくてもいいかと)
![]() | レヴィアタンの恋人 (ガガガ文庫 い 2-1) 犬村 小六 小学館 2007-06-19 by G-Tools |
![]() | アリソン (電撃文庫) 時雨沢 恵一 メディアワークス 2002-03 by G-Tools |
![]() | 天翔けるバカ flying fools コバルト文庫 須賀 しのぶ 集英社 1999-12 by G-Tools |
(ネタバレ開始)
全体的には満足だったのだけど、ファナとシャルルの恋の結末は切ないなあ。正直途中までは最終的に身分の違いなんて関係なく上手くいきましたなんて都合のいい終わり方はしないでほしいと思っていたのだけど、いざああいう終わり方となるときつかった……。シャルルは絶望的な戦いに身を投じ生死不明、ファナは馬鹿皇子と結婚し陰謀欲得の渦巻く宮中生活へ。最終的にファナは両国間の橋渡しの役目を果たし戦争を終結へと導くほど活躍したわけだけど、それでも結局周りから押しつけられた立場から抜け出せなかったのかと思うと何とも悲しい。
……いやまあ、ファナやシャルルにしてみればこんな後ろ向きじゃなくて、もっと前向きに全力で生きたのだろうけど、それでもなあ。ああいう終わり方だからこそ綺麗に終わっているのかもしれないけど、やはりファナとシャルルとサンタ・クルスで空を飛んで生きていくような生き方もあってほしかったと未練に思わざるをえないというか。
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