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白翼のポラリス (講談社ラノベ文庫)白翼のポラリス (講談社ラノベ文庫)
阿部 藍樹 やすも
講談社 2017-03-31

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どこまでも続く空と海。はるか昔に陸地のほとんどを失った蒼き世界、ノア。人々は、いくつかの巨大な船に都市国家を作り、わずかな資源を争って暮らしていた。飛行機乗りの少年・シエルは、そんな“船国”を行き来し、荷物を運ぶ“スワロー”。愛機は父の遺した白い水上機“ポラリス”。空を飛ぶことにしか生きる意味を見出せず、他人との関わりに息苦しさを感じていた彼は、ある日無人島に流れ着いた少女・ステラを助ける。素性も目的も、何も語らない彼女の依頼で、シエルはステラを乗せて飛び立つことに。その先には、世界の危機と巨大な陰謀が待ち受けていた――。紺碧を裂いて白翼が駆ける。あの空みたいに美しい、戦闘機ファンタジー。
 まあまあかな。最初は空と海に包まれた舞台描写がきれいで空を飛ぶ場面も爽快感と迫力があってとてもいい雰囲気に感じられたのだけど、主人公とヒロインが子どもっぽいところがあって、その成長を描いているのはわかるのだけど、考えの甘いきれいごとが多かったり、またそのきれいごとがまかり通ってしまうご都合主義的に感じられる部分が後半では目立って気になった。これ一冊では消化し切れていない設定があったのも気になるところ。《佳作》受賞なのも納得といった感じ。