読書中断

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村山 由佳 久留 幸子
文藝春秋 2009-01-08

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奈津・三十五歳、脚本家。尊敬する男に誘われ、家を飛び出す。
“外の世界”に出て初めてわかった男の嘘、夫の支配欲、
そして抑圧されていた自らの性欲の強さ――。もう後戻りはしない。
女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に出会えるだろう。
何回、脳みそまで蕩けるセックスができるだろう。
そのためなら――そのためだけにでも、誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。
「そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる」。
 単行本が発売されたころに買って読んでみようとしたのだけど、どうにも合わなくて途中で読書中断。いちおう軽くざっと最後まで目を通して後は放っておいた。最近になって文庫版が出たようで、それを機になんで合わなかったのかなと考えてみたのでそれをまとめてみる。

 ひとつは単純に登場人物が好みに合わなかった。それも理屈ではなく生理的に問答無用で受けつけなかった。具体的にはいい年して自分の奥さんのことを「ナツッペ」とか呼んじゃう旦那とか、メールの末尾の署名に「狼」なんて厨二臭い署名をつけちゃうおっさんとか(自分の名前から一字取っているというのはわかるのだけどね)。どんなあだ名を使おうが、署名を使おうが個人の自由じゃないかと言われればそれまでで、本当にこのへんは自分の好みの問題としか言いようがないが。

 それに主人公の奈津も合わなかった。女性が複数の男性と関係を持つのが悪いとか言いたい訳ではなくて、そんなふうに感じるぐらいならそもそも帯裏のあらすじを読んだ時点で敬遠しているだろうし。ただ、そのあらすじによると 誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。「そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる」。 とあるけど、そういう心境に至るのが本当に最後の最後の方になってからだったのががっかり。もっと社会道徳に縛られず、確固とした自分を持った女主人公の性遍歴ものかと思っていたら、甘ったれ気味でぐちぐちした女といった印象で期待はずれだった。

 あと、主人公が関係を持つ何人かの男にも当り外れがあるのだけど、その中の当りの男というのが「束縛がゆるく、褒めちぎり、尽くしてくれるいかにも都合のいい男」と「精力的で優秀な男」という実にわかりやすいタイプだったのが安っぽく感じられて笑ってしまった。そりゃこの二つのタイプに惹かれるのは順当と言えば順当だけど、こういう作品なのだからもうちょっと人間的な深みを感じさせてくれる登場人物を出してほしかったというか。

 まあ、要するにまとめてしまうと「登場人物が好みじゃない」「期待していたのと違った」というだけのことなのだが。

アスカ―麻雀餓狼伝 (集英社スーパーダッシュ文庫 よ 2-1)アスカ―麻雀餓狼伝 (集英社スーパーダッシュ文庫 よ 2-1)
吉村 夜 (著)
集英社 2010-02-22

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憧れだった祖父の背中を追い、少年・アスカは麻雀の世界へ飛び込んだ。そこに今への漠然とした不安を覆す、本当の生き方があると信じて。そして、一人の美女との出会いが、少年を博打の更なる深みへと誘う。想像もしなかったような一世一代の大勝負。全てをつぎ込んだ戦いの結果は…!? 自分に賭けてくれた少女のためにも…狼は戦う!
 作者としては麻雀初心者でも楽しめるように書いたつもりのようだけど、麻雀のルールをまったく知らない、役も全然知らない自分には序盤からよくわからない用語がぽんぽん出てきた時点で敷居が高くてついていきづらく感じてしまい、その後は流し読み。『咲』『哲也』『アカギ』などは問題なく楽しめたのだけどなぁ。映像で視覚的に楽しめる漫画やアニメとは違って文字情報主体の小説で読むならやはりある程度知識がないとだめだということかね。

 あと、あらすじからして嫌な予感はしていたのだけど、どうにも主人公の考え方が幼すぎて全然魅力が感じられなかった。普通の少年が非日常の世界に魅入られて……というなら、たとえば『凍牌』の主人公なども同じだけど、あちらは最初から行動に見合った実力と精神を兼ね備えているのに対して、こちらは単にガキが憧れで暴走しているだけという印象なのがいまいち。

ため息の数だけ…ため息の数だけ…
久石 ケイ (著)
アルファポリス 2009-06

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ばりばりの営業ウーマン・奈津美は目下10歳年下の新入社員三谷の教育中。ある日営業先で大雪に見舞われ、会社に戻れなくなったふたりは仕方なく一泊することに。ところが、その夜、三谷が強引に迫ってきて…!?本気の恋に、年齢なんか関係ない!甘さあり、切なさありのちょっとエッチな年の差ラブ。
 たまには甘々の話が読みたくなったのと、ちょっとHありの作風ということでティアラ文庫みたいな路線かと思って読んでみたのだけど、あまりに甘過ぎて読書放棄。どうやら自分には有川浩さんの作品ぐらいが甘さの上限なのだと悟った。

 過去の経験から男は懲りただとか、仕事の方が大事とか、歳の差があり過ぎて恋愛対象ではないといいながら、後輩の青年を恋愛対象として意識しまくりで、値踏みするような目線で見ているのはいかがなものかと。それに二人とも常識人という設定のはずなのに営業まわりの得意先でHし始めたのにはびっくりした(あらすじをちゃんと読んでいなかったので)。そのへんの設定と実際の描写のちぐはぐさが気になった。

 お相手役の青年の魅力もしっかり描写しなければならないのはわかるけど、それなら一人称でなく三人称にした方が良かったのではないかと。主人公の女性の一人称だから相手役の魅力を描こうとすると、どうしても主人公が相手の男のことばかり考えているような印象になってしまったのだろうし。

 営業先でHし始めるのはなあ……。普通にどこかの宿なりホテルなりに泊まったという設定にしておいてほしかった。まあ気にし過ぎなのかもしれないけど、なぜ営業先で泊まらせてもらうという設定にしたのだろう? 

電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男 (電撃文庫)
入間 人間
アスキーメディアワークス 2009-01-07

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異性と育む夢の高校ライフを過ごすはずだった俺の隣に、謎の電波女登場!?

 宇宙人が見守ると噂されるこの町で、俺の青春ポイント獲得ミッション(具体的には女子との甘酸っぱい高校ライフ大作戦)はスタートした。
「地球は狙われている」らしい。同居する布団ぐるぐる電波女・藤和エリオからの引用だ。俺の青春ポイントが低下する要因であり、本ミッションを阻害する根源でもある。
 天然癒し系な爽やか健康娘・リュウシさんや、モデルさんもびっくりの長身(コスプレ)少女・前川さんとの青春ポイント急上昇的出会いを経たにもかかわらず、俺の隣にはなぜか布団でぐーるぐるな電波女がいるわけで……。
 ……俺の青春って、一体どーなんの?
『嘘つきみーくん』の入間人間が贈る、待望の新作登場!
 ボーイ・ミーツ・電波ガールもの。文章のクセが強くてついていけずリタイア。前に『嘘つきみーくん』の一巻を読んだ時は問題なく読めたのだけどなあ。まあ残念ながら個人的には合わなかったけど、いろいろなネタは仕込まれているし、合う人にとってはすごく楽しめる文章かと。また電波少女ものということでガガガ文庫の『AURA』とかが好きな人にも合うのかも。イラストは目つきが悪いと描写されている前川さんがやたらと可愛くなり過ぎなのはどうかという気がするが、それ以外は非常にグッジョブ。特にエリオがとても可愛くて実に素晴らしいですな。