小説☆☆☆☆

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冴えない彼女の育てかた Girls Side3 (ファンタジア文庫)冴えない彼女の育てかた Girls Side3 (ファンタジア文庫)
丸戸 史明 深崎 暮人
KADOKAWA 2017-06-20

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 GS第3弾、またの名を本編12巻裏サイド編といった感じ。しかし後半の合宿の女子会的なノリはいかにもガールズサイドというタイトルにふさわしい雰囲気だった。全体的にはいかにも「ああ、終わりが目前なんだな……」という印象。主人公ががんばって事態を動かすのではなく、仲間の少女たちが互いに関わり合って事態を動かしてしまうのがギャルゲーとの大きな違いか。このシリーズは今までなぜ恵が倫也に惹かれることになったのかずっと疑問だったのだけど、今回語られた内容からするとなんとなくフィーリングが合った以上のものは無いということかね。

白翼のポラリス (講談社ラノベ文庫)白翼のポラリス (講談社ラノベ文庫)
阿部 藍樹 やすも
講談社 2017-03-31

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どこまでも続く空と海。はるか昔に陸地のほとんどを失った蒼き世界、ノア。人々は、いくつかの巨大な船に都市国家を作り、わずかな資源を争って暮らしていた。飛行機乗りの少年・シエルは、そんな“船国”を行き来し、荷物を運ぶ“スワロー”。愛機は父の遺した白い水上機“ポラリス”。空を飛ぶことにしか生きる意味を見出せず、他人との関わりに息苦しさを感じていた彼は、ある日無人島に流れ着いた少女・ステラを助ける。素性も目的も、何も語らない彼女の依頼で、シエルはステラを乗せて飛び立つことに。その先には、世界の危機と巨大な陰謀が待ち受けていた――。紺碧を裂いて白翼が駆ける。あの空みたいに美しい、戦闘機ファンタジー。
 まあまあかな。最初は空と海に包まれた舞台描写がきれいで空を飛ぶ場面も爽快感と迫力があってとてもいい雰囲気に感じられたのだけど、主人公とヒロインが子どもっぽいところがあって、その成長を描いているのはわかるのだけど、考えの甘いきれいごとが多かったり、またそのきれいごとがまかり通ってしまうご都合主義的に感じられる部分が後半では目立って気になった。これ一冊では消化し切れていない設定があったのも気になるところ。《佳作》受賞なのも納得といった感じ。

黙示録 下 (角川文庫)黙示録 下 (角川文庫)
池上 永一
KADOKAWA 2017-05-25

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 面白かったことは面白かったけど、冷静になって振り返ってみると不満点もけっこう見つかって手放しではほめられない、そんな感じの作品だった。主人公がクズで不快な場面がしばしばあったとか、太陽しろの対となる月しろを目指す物語というわりには太陽しろは影が薄いのはどうなのかとか、聖之介は面白い人物だったけど出てきた意味は薄いとか、終盤になると気がどうたら神がなんたらと宗教くさい雰囲気になったのがちょっと好みに合わなかったとか。ただ、そういったマイナス面を差し引いてもなんだかんだで波乱万丈の展開は面白かったし読んでみて良かったと思う。

黙示録 上 (角川文庫)黙示録 上 (角川文庫)
池上 永一
KADOKAWA 2017-05-25

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1712年、琉球王に第13代尚敬王が即位した。国師の蔡温は国を繁栄させるため、王の身代わりとなる存在「月しろ」を探し始めた。一方、貧しさから盗みを働く蘇了泉は、王宮を追われた舞踊家・石羅吾に踊りの天賦の才を見出される。病気の母親を救うため、謝恩使の楽童子として江戸に上ることを決めた了泉。だが船中には、もうひとりの天才美少年・雲胡が同乗していた……。将軍に拝謁すべく、2人の舞踊家が鎬を削る!
 まあまあ。『テンペスト』の作者のあたらしい琉球歴史長編ものということで読んでみた。最初は主人公の了泉にあまり魅力が感じられず、また苦しい状況が長々と続いて素直に話に入っていきづらかったが、読み進めていくうちに了泉も含めて登場人物たちの、決してきれいなところばかりでなく野心やろくでもない欲望を持っていたりもするものの活力にあふれた様子に好感が持てるようになってきて楽しめた。とりあえずこの上巻でひとつ大きな区切りがつくのだけど、下巻でここから話はどう動いていくのだろう。

緋色の玉座 (角川スニーカー文庫)緋色の玉座 (角川スニーカー文庫)
高橋 祐一 岩本 ゼロゴ
KADOKAWA 2017-05-01

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かつての栄光を失い、虚栄と退廃に堕ちた6世紀の東ローマ帝国。国の危機を憂う生真面目な騎士ベリスが出会ったのは、世の全てに退屈する型破りな書記官プロックスだった。正反対な性格ながらも互いの才覚を認め合う二人は、東より迫るペルシャ軍との最前線アルメニアへ。敗色濃厚な戦況下、プロックスの奇策が、若きペルシャの雄ホスローを迎え撃つ! 帝国復興のため激動の戦場を駆け抜けた、稀代の名将と天才軍師の戦記物語。
 まあまあ。ライトノベルで戦記ものはさほどめずらしくないけど、ここまで史実をベースにした作品はめずらしい気が。そのおかげで、地理、社会制度、軍事組織、風習といった世界観に非常に厚みがあって読みごたえがあって良かった。主要登場人物の中に何人か美少女、美女もいたり、魔剣や魔術といったほんのりファンタジー要素も入っていたりと(あくまでほんのり程度で)、ライトノベルらしい作風に上手く落とし込んでいるのも好印象。

 ただ、まだ一巻目だからか今回は顔見せ編といった感じで、戦いで大活躍! というには少々地味かなと。また地名や登場人物の名前が少々おぼえにくかった。作者の納得のいく結末まで書ければいいけど、この手の作品は地味に埋もれてしまうことも少なくないのでどこまで続けられるか心配。

この恋と、その未来。 ―二年目 秋冬― (ファミ通文庫)この恋と、その未来。 ―二年目 秋冬― (ファミ通文庫)
森橋 ビンゴ Nardack
KADOKAWA/エンターブレイン 2016-05-30

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 なるほどこういう流れになるのか。前巻を読み終わったときはあと二冊も何やるのだろうと思ったけど、こうして読んでみるとなるほどたしかに今回の話も必要だわ。そしてちゃんと六巻目も出てくれて本当に良かった。四郎と未来の物語という点ではいちおう今回の話で一区切りついているともいえるけど、やはりもうちょっとこのあとの描写がほしいし。というわけで六巻目でこの物語にどう幕を下ろすのか期待。

(以下ネタバレ)

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スーパーカブ (角川スニーカー文庫)スーパーカブ (角川スニーカー文庫)
トネ・コーケン 博
KADOKAWA 2017-05-01

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山梨の高校に通う女の子、小熊。両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る彼女は、中古のスーパーカブを手に入れる。初めてのバイク通学。ガス欠。寄り道。それだけのことでちょっと冒険をした気分。仄かな変化に満足する小熊だが、同級生の礼子に話しかけられ――「わたしもバイクで通学してるんだ。見る?」1台のスーパーカブが彼女の世界を小さく輝かせる。ひとりぼっちの女の子と世界で最も優れたバイクが紡ぐ、日常と友情。
 ふとしたきっかけからスーパーカブを手に入れ、どんどんハマっていき、それにともなって世界が広がっていくのは良かったし、カブに乗りながら遭遇するあれこれも興味深かった。しかし文章が良く言えば丁寧だけど悪く言えば淡々としていて読んでいて集中力が途切れがちだった。それとイラストが作中のシーンといまいち合っていないのも気になった。あと主人公がやたらと重い境遇の設定なんだけど、この設定は必要だったのか疑問。これ一冊できれいにまとまっているけどWEBの方を見てみると続編もあるようでそっちも書籍化されるのかね。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部「領主の養女III」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第三部「領主の養女III」
香月美夜 椎名優
TOブックス 2017-03-10

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 印刷機の改良の話とか今となってはなつかしい。後半になると貴族間の勢力争いネタが増えて商売ネタや本ネタが少なくなってしまったからな。アンゲリカはこうしてイラストで見ると美人ね。それだけに残念感がひとしお(笑) ハルトムートもさらっと登場してきたけどこの時点ではそれほど目立たないな。ハッセの町のあれは現代人が中世社会の処刑シーンを見せられるようなものだからそりゃきっついわ。

冴えない彼女の育てかた 12 (ファンタジア文庫)冴えない彼女の育てかた 12 (ファンタジア文庫)
丸戸 史明 深崎 暮人
KADOKAWA 2017-03-18

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 今回の話を読み始めて英梨々や詩羽先輩の成果を守るためとはいえどうしてそういう方向にいくかなと思ったが、GSも含めてあと二冊でシリーズ完結だそうで、そう考えてみるといかにもシリーズのクライマックスらしい流れだった。そして今回ほとんど出番のない出海と美智留はやはり捨てヒロインなのね(哀) 最後のあの場面は2ページ見開きでイラストがほしかった。電撃文庫とかではけっこう見かける演出なんだけど、ファンタジア文庫ではやらないのかな。

この恋と、その未来。 -一年目 春- (ファミ通文庫)この恋と、その未来。 -一年目 春- (ファミ通文庫)
森橋ビンゴ Nardack
KADOKAWA/エンターブレイン 2014-06-30

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超理不尽な三人の姉の下、不遇な家庭生活を過ごしてきた松永四郎。その地獄から逃れるため、新設された全寮制の高校へと入学を決めた彼は、期待を胸に単身広島へ。知らない土地、耳慣れない言葉、そして何よりもあの姉達との不条理な日々から離れた高揚感に浸る四郎だったが、ルームメイトとなった織田未来は、複雑な心を持つ……女性!? 四郎と未来、二人の奇妙な共同生活が始まる――。『東雲侑子』のコンビで贈る、ためらいと切なさの青春ストーリー。
 まあまあ。体は女、心は男な相手との恋愛ものなんてめんどくせえと敬遠していたけど、東京ではなく広島が舞台で、しかも全寮制の学校ということでちょっと変わった青春ものとして見ればなかなか面白かった。しかしそれまでもたまに意識してドキッとすることはあってもわりとフラットにつきあってたのに、終盤になって急にはっきりと恋心を自覚する四郎の心情にはいまいち共感できず。なので今後は「恋しているけどそれを表に出すことができず切ない」という展開になるのだろうけど、その切ない気持ちに共感できなくてついていきづらくなりそう。

俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)俺を好きなのはお前だけかよ (電撃文庫)
駱駝 ブリキ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2016-02-10

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 ここで質問。もし、気になる子からデートに誘われたらどうする? しかもお相手は一人じゃない。クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼馴染み・ひまわりという二大美少女!! 意気揚々と待ち合わせ場所に向かうよね。そして告げられた『想い』とは! ……親友との『恋愛相談』かぁハハハ。……やめだ! やめやめ! 『鈍感系無害キャラ』から、つい本来の俺に戻ったね。でもここで俺は腐ったりなんかしない。恋愛相談に協力すれば、俺のことを好きになってくれるかもしれないからな! そんな俺の哀しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。パンジーこと三色院菫子。三つ編みメガネな陰気なヤツ。まぁなんというか、俺はコイツが嫌いです。なのに……俺を好きなのはお前だけかよ。
 第22回電撃小説大賞<金賞>受賞作!
 終盤になってシリアス要素を入れてまとめるのではなくて最後までゲラゲラ笑えるラブコメだけで通してほしかったとか、最後まで読んでもパンジーの言動はちょっと理解しがたいといった多少の不満点はあれどなかなか面白かった。主人公の一人称がテンション高い系で最初はついていけるか心配になったけどほとんど気にならずさくさく読めたし、クズなところもあるけど普通に好感が持てる主人公で楽しく読めた。異能もSF要素も純愛や何か打ち込んでいるスポーツや趣味といった青春要素もまじえず、純粋にラブコメだけで通していたのも良かったのだけど、この点は先述の通り終盤になってちょっと崩れたのが惜しい。続きにも期待。

86―エイティシックス― (電撃文庫)86―エイティシックス― (電撃文庫)
安里 アサト I-IV
KADOKAWA 2017-02-10

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 サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。
 そう――表向きは。
 本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区”》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。
 死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官”となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる――!
 第23回電撃小説大賞《大賞》の栄冠に輝いた傑作、堂々発進!
 いくつかツッコミどころや気になった点はあったけど全体としてはまあまあ楽しめた。気になった点の一部についてもあとがきで作者が言及していて、それなら流してもいいかという気になれたし。ガーターベルトに関してはイラストレーターさんにもっと力を入れてほしかったが、そういう作品じゃないし仕方ないね。これがちょっとエッチなラブコメとかだったらなあ。結末はあのオチよりももうちょっと手前で終わっておいてくれた方が好みだったが、もちろんこれはこれでありだと思う。